「え?なんで?」と思った人が少なくないでしょうが、ドラムが上手くならない最大の原因は、これだと、僕は思います。
ハッキリ言って、普通に学生や社会人をやっている人が、「スティックを持った時しか練習しない」のでは、練習時間が全然足りないのです。
「そんな事言ったって、忙しくて練習時間が取れねんだよ!」とお怒りの貴方、まあまあ、落ち着いて(^^;
スティックを持たなくても、いつでも、どこでも、ちょっとの時間が空いたら、練習できる方法があるんです!
考えてみて下さい。ドラムという楽器は、演奏の大部分が、手足4本を「順番どおりに動かす」という作業です。
そして、この「手足を順番どおりに動かす」部分だけなら、練習するのに、スティックもペダルも必要ありません。
一日の中には、様々な「待ち時間」「空白の時間」があります。仕事の最中にだって、必ずあるはずです。
その、わずかな時間を逃さずに、手足を動かすか、動かさないか、上手くなれる人と、なれない人の最大の差は、そこにあるんです。
上手くなるためには、手順と足順だけの練習を、一回数秒でも良いから、一日に何度でもやる事です。
朝から夜までやってれば、短いフレーズひとつの手順・足順くらいなら、一日でマスター出来るはずです。
それで、手足がスムーズに動くようになったら、本物のドラムセットで「練習成果」を試すために、リハーサルスタジオの「個人練習システム」を利用すれば良いのです。
ところが、実際には、多くの人が、スタジオに入って、ドラムセットに座ってから練習を始めています。
すると、しばらくの間は、自分のヘタクソな演奏を聴き続けなければなりません。しかも、1時間経っても上手く叩けない場合も少なくないでしょう。
それでは、誰だって嫌になってしまいます。練習を好きにはなれないでしょう。だから、上手くなれないのです。
普段から手順足順の練習をしていれば、セットに座った時には、もう手足は動くのですから、バランスやテンポ、音色等の、音楽的な部分だけに気をつければ良いのです。
だから、僕は初心者の生徒さんに「一週間のうち6日は、手順足順の練習をして、その成果を試すために、週1回、一時間だけスタジオに入って下さい」と言っています。
練習するためではなく、6日間の練習の「ごほうび」として、生ドラムを思い切り叩くために、スタジオに入るのです。
もちろん、スティックを持てる時には、思い切りスティックコントロールの練習をすれば良いのですが、それよりも、手順・足順の練習の方がずっと重要です。
どんなに複雑なフレーズでも、セットドラマーがやっている事の大部分は「手足を順番どおりに動かすだけ」なんですから。
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