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★ 超人ドラマー:デニス・チェンバース


デニチェンを初めて知ったのは、ビデオ『バディ・リッチ・メモリアル・スカラシップコンサートを観た時でした。

当時はドラムの世界からしばらく離れてた頃で、デイブ・ウェックル位は知ってても、「Dennis Chambers?全然知らんな〜」と、どうせ大した事ないだろうとタカをくくってたんです。

ところが、ルイ・ベルソンとグレッグ・ビソネットの少々退屈な演奏(失礼!)のあとに、ガムをかみながら不敵な面構えで登場したデニチェンが演奏し始めたとたん、「うわっ!なんだコイツは!」と、目がクギ付けになりました。


☆バディ・リッチ・メモリアル・スカラシップコンサートのデニチェン


強烈なドライブ感と、体型に似合わない(?)電光石火のスピードプレイ、そしてまた、録音された音からも、明らかにドラムが凄い音で鳴り切っているのが分かります。

こんな凄いドラマーが出てきていたのか…。まるで「最強」だった頃のマイク・タイソン(*1)のようだと思いましたよ。

まあ、あとから冷静に振り返ってみると、当時のデニチェンは、まだ可愛い(?)もので、実はストレイナーのスイッチを入れ忘れるほど「アガッて」たりして、デカイ態度も、それを悟られないためのポーズだったんだろうな…と分かるんですけど。

でも、『バディ・リッチ・メモリアル』に登場した数々のドラマーの中でも、「フィーリング」という意味で一番バディ・リッチに近かったのは、実はデニチェンなんじゃないかと思います。

バンドに火を着け、ぐいぐい引っ張っていくプレイ…という意味でね。バディ・リッチ・ビッグバンドの面々も、久々に燃えたんじゃないですかね?







*1 最盛期のタイソンは、相手のパンチを全部上半身の動きだけでかわして最後に一発でKO!相手をリングの端まで吹っ飛ばしてKO!強烈な連打で文字通り「ボコボコ」にしてKO!…等々
本当に「最強」だったんですよ!(^^;


そして、他の二人を圧倒してしまったドラムソロ合戦。テクニカルな面では、グレッグ・ビソネットの方がはるかに練習を積んでて、難しい事をいっぱいやってるんですけど、迫力とハッタリだけでぶっ飛ばしてしまったという感じですよね。

「お題」が手足のコンビネーション・フレーズ(?)になったとき、片手片足だけで返したのなんか、ハッタリ以外の何物でもないんですが。(よく聴けば、音はドシャメシャ…)

さらによく見てみれば、何ヶ所かあるユニゾン部分も、デニチェンだけイイカゲンになってたりしてね(笑)。

それでも、練習台を叩きすぎたのか、グレッグ・ビソネットの音が鳴ってなかったのと、さすがに老いたルイ・ベルソンでは、荒ぶるデニチェンの迫力には、とうていかないませんでした。

その後、ジョン・スコフィールドと一緒に作った自身の教則ビデオでは、さらにレベルアップして、シングルストロークなんか「ブーン」「ブォーン」と、ハチの羽音みたいな感じになってて、もう、笑うしかなかったですね。

ただ、それ以降追いかけて来て、どうもワンパターンが過ぎる感じで、ドラムソロの最後に、タオルで顔拭いたり、水を飲んだり、時計を見たりするのも、毎回のようにやってるらしいと知ると、さすがに冷めて来てしまいましたが(苦笑)。

なんにしても、洗練されていくにつれて野性味を失ってしまった「ドラミング」の世界に、単純なパワーやスピードの「カッコよさ」を再認識させた意義は大きいと思います。

あのスティーブ・ガッドもデニチェンを見てツイン・ペダルを導入したらしいですし、デイブ・ウェックルもソロアルバム2作目は露骨にデニチェンを意識した感じになってましたからね。

そうそう、忘れちゃいけないのが、デニチェンはグルーヴも良いって事。ハービー・メイスン程の「バネ」や「切れ」、良い時のオマー・ハキム程の「うねり」は感じませんが、シンプルなグルーヴプレイだけでも充分以上に気持ち良いですからね。

願わくば、本家マイク・タイソンのように短命で終わらず、長く活躍して欲しいものです。


ところで、デニチェンってデカく見えますけど、身長、ガッドと変わらないって知ってました?

『バディ・リッチ・メモリアル』DVDのジャケで、参加ドラマーが並んでる写真で分かりますよ。(*2)カリウタはもちろんウェックルよりも小さいです。まあ、体重は一番重そうですが(笑)。

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*2 (2009/02/09付記)Amazonの『バディ・リッチ・メモリアル』DVD紹介ページ。画像左から、ベルソン,ビソネット,デニチェン,カリウタ,ガッド,ウェックルです。


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