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★ グラッドストーン奏法のフリーストローク


高速ドラム演奏ブーム(?)によって、その価値が見直されてきた、伝統的なスネアドラム奏法の基本ストロークを、スロー映像も含めて動画にしてみました。(*1)

ただし、欧米では、クラシックやマーチングの基本奏法として多数派の、グラッドストーン奏法ですが、残念なことに、日本では長い間、誤解され続けて来ています。
(※僕も2年前までは完全に誤解していました(^^;。*2)

この動画で、グラッドストーン奏法本来の優れた点と、その存在意義を再認識して頂ければ幸いです。




*1 できるだけ動きを遅くするために極太のスティックを使ったのですが、動画用のカメラがボロいせいで、結局スロー映像はぶれてしまいました(泣)。


*2 名前は知っていても、ほとんどの人が誤解しています。僕自身は、ジョジョ・メイヤーの『シークレット・ウェポン〜』を見て、自分の酷い誤解に気付きました。



↑に動画が表示されない場合、こちらをクリックすれば動画が見られます


グラッドストーン奏法には、優れた点が沢山あります。

まずは、振り上げの代わりにリバウンドを利用することで、1打の動作が、「振り上げ」と「振り下ろし」という2つのモーションではなく、ワンモーションで完結するということ。

次は、リバウンドを最大限に利用するために、スティックを手から自由にするという、逆転の発想により、非常に小さな力でスティックを動かせるので、基本的な手の脱力が身につくということ。(*3)

さらに、リバウンドの速度は、人間が振り上げるよりずっと速いため、非常に高速な連打が可能になること。

そして、スティックが打面と接触する時間が最短になるため、アタックの衝撃音は小さく、理想的なヘッド振動により、響きの長い、素直で音楽的な音色が得られること。

その上、原理自体がシンプルで、速度や音量によって動きが大きく変わる事がないため、奏法の習得が比較的容易だということ等々です。











*3 今回使用しているスティックは、太さ19mm,重さ100gの、Stimmung 5Bですが、とても楽にストローク出来ているのが分かると思います。
 フリーストロークを身に付けると、単打面上なら、スティックが軽くても重くても、まったく同じように扱えるようになります。


ちなみに、「グラッドストーン奏法は移動を想定していないから、ドラムセットには向かない」というのも誤解です。

事実、ビリー・グラッドストーンは多くのジャズドラマーに奏法を伝授していて、シェリー・マンやジョー・モレロ等は、グラッドストーンの直弟子です。

それどころか、あのバディ・リッチも、若い頃は、ビリー・グラッドストーンのシングルストロークロールを見るために、毎晩のように劇場に通っていたのを、ご存知でしょうか?



実はバディ・リッチは、モーラー奏法と、グラッドストーン奏法を、どちらも非常にハイレベルにマスターしていて、二つの奏法を、状況によって見事に使い分けています。

たとえば、有名な『ウエストサイドストーリー』のドラムソロの最後、シングルストロークをゆっくり〜高速までもっていく所などは、まさにグラッドストーン奏法の教科書です。(*4)

他にも、ビリー・コブハムやイアン・ペイス、サイモン・フィリップス、デニス・チェンバース(*5)、そして、デスメタルやグラインドコア等の「高速ドラミング系」ドラマー達も、グラッドストーン系の奏法を使っています。

つまり、少なくとも、高速ドラミングを志向するなら、避けては通れない奏法だという事です。

フリーストローク。身に付けて損はないと思いますよ(^^)。








*4 そして、モーラー奏法に切り替えて大音量に持って行き、シンバルアクセントを混ぜ…と盛り上げて行って、最後の大団円に繋げるのです。


*5 デニチェンは、モーラーとグラッドストーンの両方を状況によって使い分けます。


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