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★ 超人ドラマー:ハービー・メイソン
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この人の何が凄いって、唯一無二の「音」と「タイミング」でしょう。フレージングがどうの…という分析は、あまり意味がない気がします。

僕がハービー・メイソンの凄さを初めて思い知ったのは、リー・リトナー&ジェントル・ソウツの、ダイレクト・カッテイング・レコード(*1)をコピーしてみようとして、ヘッドホンをかぶってドラムに向かった時でした。

それまで、安物のスピーカーで聴いていた時には気付かなかったのですが、ハービー・メイソンのフルショットの音に、文字通り「ノックアウト」されてしまったのです。








*1 スタジオライブの一発録りで録音されたアルバム『GENTLE THOUGHTS』のこと。もちろんCDでも出てます。


バディ・リッチもそうなのですが、なぜか、実際には凄いパワーの持ち主なのに、録音だと音が細く聴こえる…という人がいて、ハービー・メイソンもその代表です。

たぶん、ヘッドを非常にハイピッチにしているためだと思うのですが、そういう場合、ヘッドホンで音量を上げ目にしてみると、実は凄い音でドラムが鳴っているのが分かりやすいです。

『キャプテン・カリブ』では、時おり入る「アクセント付きのキックやスネア」が、「ゴンッ!」「ガツンッ!」という、まるで、コンクリートの床に重い金属のカタマリを落としたような物凄い音で、こんな音は他では聴いた事がありません。

もしかして、単発の音では世界最強ではないでしょうか? デニチェンやボンゾの音はもちろん凄いですが、1打1打の音はハービー・メイソンよりも「優しい」感じがします。

そして、これは一緒に叩いてみると分かりやすいのですが、音色だけでなく「タイミング」がまた凄いのです。



『カメレオン』の、1拍目最後の16分(*2)なんかが一番分かりやすい例ですが、まさしく「ここしかない!」という、ピンポイントで叩かれていて、こんなドラマーと一緒に演奏したら、他のメンバーはたまらないだろうな…と思います。

さらに、これはちょっと矛盾していると感じるかもしれませんが、ハービー・メイソンの素晴らしいタイミングと一緒に演奏してみると、たとえば、2拍・4拍の位置って、実は、こんなに幅が広かったのか…ということもよく分かります。

ハービー・メイソンが、ピンポイントで叩いているからこそ、外れるギリギリの前・少し前・ジャスト・少し後ろ・外れるギリギリ後ろ…という、まあ、大まかに分けても5段階の位置があるということが、改めてよく分かるのです。


*2 言わずと知れたハービー・ハンコックの名盤『ヘッドハンターズ』1曲目。
 ドラムが入ると、テンポがどんどん速くなっちゃうのに、タイミングとグルーヴは不変で、僕が「正確さ」と「気持ち良いグルーヴ」は別なのだと気付いた曲です。
 しかし、この「タイミング」だけは、どんなに頑張ってもコピーできない気がします。


また、これはもうあまりにも言い古されていることですが、ハービー・メイソンのグルーヴ、特に「跳ねる感じ」の素晴らしさは、言うまでもありません。

凄い音、凄いタイミング、凄いグルーヴのバッキングの上に、短くて小気味の良いフィルインが絶妙に入って来る、ゆったりして、かつ緻密、大胆にして、繊細なドラミング。素晴らしすぎます。

最近になって、『FOUR PLAY』での演奏を見ることが出来ましたが、「上手すぎる…」と、ため息が出るばかりでした。



☆↓フォープレイのハービー・メイソン


音数がどうの…とか、このフレージングが…という次元を超えて、アンサンブルの中のドラミングを極めた達人、それがハービー・メイソンです。

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