ほら、こうやって書くと、ジョン・ボーナムよりも、イアン・ペイスの方が、ずっと優れたドラマーみたいに思えてくるでしょ?(笑)
イアン・ペイスのドラミングって、センスが良くてスマートで、これといった欠点が見当たらない上に、とんでもないハイテクニックが、さりげなく入って来るのが、凄いんです。
よく、「手が速い」と言われるけど、キックだって、パワーはともかく、スピードは、ジョン・ボーナムを軽く上回りますからね。
昔、インタビュー記事で「ファイアーボールは片足でもプレイ出来るけど、パワーが落ちるから、隣のスタジオから、キース・ムーンのバスドラムを借りて、ツーバスで録音した」というのを読んだ時は、マジで、ひっくり返りましたよ。
だって、ファイアーボールはBPM≒240ですよ。で、少なくともイントロの8小節は、キックを8分で踏みっぱなし…。それを片足でも行けるって??!!
普通は、240BPMの8分を片手で8小節刻むのだって、相当大変…というか、プロドラマーだって、出来ない人が少なくないんじゃないですか?
それに、「キース・ムーンのバスドラムを借りて…」っていうのも、ちょっと信じられません。『ファイアーボール』のツーバスって、ものすごく音が揃ってて、左右の音量や音質の差が殆ど無いんですもん。
ツーバスのプレイって、普段ワンバスのドラマーが、いきなり他人のバスドラム借りて、すぐに上手く行くもんじゃないですよ(苦笑)。やっぱり、タダもんじゃないです。
ちなみに、これまたバディ・リッチゆずりなのか、イアン・ペイスって、スタジオ盤より、ライブの方が良いプレイが多いんです。というより、ディープ・パープル自体、ライブの方が、断然、凄い演奏になりますからね。
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