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★ 超人ドラマー:ナラダ・マイケル・ウォルデン
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ナラダ・マイケル・ウォルデンを初めて聴いたのは、ジェフ・ベックの『ワイヤード』の1曲目、『レッド・ブーツ』でのプレイでした。この人は、超人というより人かもしれません(笑)。

たとえば、いまだに謎なんですが、レッドブーツ冒頭の「プシ・パシー」という変なハイハットの音は何なんでしょ? 編集でテープを切ったせいなのか、元々こういう入り方(*1)なのか?

*1 下の譜面はその前提で書いてます


ledboots.gif
『レッドブーツ』イントロのドラムソロ(筆者の耳コピー)


とにかく、イントロのドラムソロ↑からして、どうにも「変」です。ハイハットオープンの4分刻みに、わけのわからない、キックとスネアのコンビネーション。物凄くインパクトはあるけど、意味がさっぱり分かりません。曲との繋がりが見えない(苦笑)。

そして、曲に入ってからのパターンが、これまた強力な変態フレーズで、あの、とんでもないリズム感を誇るジェフ・ベック(*2)が入るタイミングを見失なっちゃってるじゃないですか(笑)。

*2 J・ベックとセッションした某有名バンドのメンバー達いわく「あの人のリズム感が凄すぎて全然ついて行けなかった」と。


ledboot2.gif
『レッドブーツ』バッキングパターンの例


なにしろ、最初は全くワケが分からなかったですね。ドラムが凄い音で鳴り切ってる(*3)のと、それまでに聴いたことのない無機的なフィルインと、それがまた尻尾が切れたみたいに変なタイミングで止まるのが印象的でしたが。

でも、これほどワケが分からないと、興味が湧いて来るんですよ。なんでこの人は、こんな変な表現をするんだろうって。

それで、とりあえず『レッドブーツ』をコピーしてみようと思ったんですが、いや〜、当時(18才ごろ?)の僕では、どうにもならなかったです(苦笑)。

変則的なパターンな上に、細かい休符が多すぎて、なんとか手順・足順だけは出来ても、全然リズムが流れなかった。

あのビリー・コブハム(ナラダのルーツ)だって、こんなに叩くのが面倒なパターンを多用してはいないと思うんですけどねぇ…。



*3 ハービー・メイソンの次に強力な音を出す人だと思います。そういえば、二人とも、某ドラム雑誌のライブレポートで<スネアヘッドの中央が数曲で凹んでしまうため、1ステージで何度もスネアを交換していた>と書かれていたのを思い出します。


でも、そうやって苦労していたある日、当時教室に通っていたジミー竹内さんの教則本に『レッドブーツ』途中の4分の7拍子のパターンが紹介されてるのに気づいたんですよ。

他の楽器は7/8の2小節単位のフレージングなのに、ナラダは、スネアとキックだけ7/8で、ライドのカップは4分で鳴らし続けるという変態ぶりで、当時の僕には、まず、どういう手順にすれば良いのかすら分からなかった。

 だから、「ラッキー!先生に聞けば一発で解決だ!」と
「先生の教則本に『レッドブーツ』の、7/4のパターンが載ってますよね?」
 と切り出したら
「あ〜? 7/4? そんなの載っけたかなあ…」
 と、つれない返事。それで、教則本を開いて
「これです(^^)」
 と見せたら
「あ〜、ここはオレは書いてないんだよ、
弟子に任しちゃったから」

 って………。

なるほど、よく見れば確かに教則本の背表紙には『ジミー・竹内と書いてあるんですよね…。そして少年はまた大人になったのでした(笑)。

…と、話が横道にそれましたが、ナラダ・マイケル・ウォルデンは、僕が、変則的なリズムパターンや、ちょっと変わった「ノリ」(グルーヴ)に興味を持つきっかけになったドラマーでした。

その後、ソロ・アルバム(*4)も買って聴きましたが、ドラムマシン的なリズムを取り入れた先達でもあると思います。

1980年代の後半からは、プロデューサーとしての活躍ばかりでしたが、2008年頃から、またドラムを叩き始めたみたいです。

*4 『ルッキングアット』です。CDも出ている模様。『シェイクイットオフ』が強力!





2010年春には、ジェフ・ベックと一緒に来日し、見に行った生徒さん達は異口同音に「音が凄かった!」と言ってました。

まだまだイケるみたいなので、再びドラマーとして活躍してくれる事を望みます。

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