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★ 超人ドラマー:オマー・ハキム


どうも最近は生彩を欠いているようですが、ウェザー・リポートで出て来た時、特にTVでも放送された来日公演(*1)での『ホエア・ザ・ムーン・ゴーズ』のプレイには本当に驚きました。

ハービー・メイソン並のバネに、さらに「しなやかさ」と「なめらかさ」がプラスされた抜群のグルーヴと、ガッド系のルーディメンタルなテクニックを兼ね備え、野性味と、都会的なセンスが共存するスリリングなドラミング。

複雑な4ウェイ仕様のリズムパターンを、ボーカルを取りながら楽勝で、しかも無茶苦茶グルーヴさせてこなすかと思えば、一転、超ハイテンションで暴れまくるソロプレイ(※)を披露する! 冷静と熱狂、緻密と奔放の両立。

この、若く才能に溢れるドラマーのプレイには、あの気難しそうなジョー・ザビヌルでさえもが、まるで可愛い孫でも見ているかのように、ニコニコと表情を崩してましたからね…。



*1 1984年『ドミノセオリー』ツアー時の来日ライブ。かつてはLDが出てましたが、残念ながらDVD化はされていない模様。確かに粗い部分も多いライブですが、ぜひDVDでも出して欲しいです。







YouTubeに、日本公演の『ホエア・ザ・ムーン・ゴーズ』ドラムソロ部分の動画がありましたので、リンクを張っておきます。


これは本当に凄いドラマーが出てきたぞ!と喜んだのですが、残念ながら、最近はあまりパッとしないようで、特に注目していないという人の方が多いんじゃないでしょうか?

確かに、なぜかは分かりませんが、80年代後半以降、ドラムマシンみたいなベタベタした音になってしまい、抜群だったグルーヴも、さほどでもなくなってしまった(*2)があります。

けれども、教則ビデオ『エクスプレス・ユアセルフ』の映像の中に、僕は、とんでもないものを見てしまったんですよ!

教則ビデオ自体は、インタビューとデモ演奏が交互に淡々と続くばかりで、肝心の演奏も、あまり良いプレイとは言い難いものが多く、正直、かなり退屈なんです。

でも、ちょっと落胆しながら見ていた僕が“ぶっ飛んだ”のは、画面の隅にオマー・ハキムの右足がアップになった時。なんと「キックでゴーストノート」を入れてるんですよ!








*2 ダイアー・ストレイツの『マネー・フォー・ナッシング』でのプレイとか。冒頭のドラムソロなんか、本当にドラムマシンみたいだし、曲に入ってからのグルーヴも硬いです。デビッド・ボウイの『レッツダンス』の時とはえらい違いだと思いました。


最初は「足癖じゃないのか?」とも思ったんですけど、フレージングやダイナミクスの付け具合からしても、明らかにゴーストノートです。なぜ、オマー・ハキムのプレイが異様にグルーヴするのか、秘密の一端が見えた感じでした。

少なくとも僕は、キックでゴーストノートを入れるドラマーを他に見た事がありません(*3)から、やはり「オマー・ハキムが超人ドラマーなのだ」としか言いようがありません。

残念なのは、オススメできる音源や映像が少ないことですが、興味のある方は、CDなら、ウェザー・リポートの『プロセッション』『ドミノセオリー』、ビデオなら、スティングの「ブルー・タートルの夢」のメイキング映画『Bring on the Night』あたりが、良いんじゃないかと思います。

出来る事なら、もう一花、咲かせて欲しいんですけどね…。

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*3 2006/11/07付記:ところが、意外な所にキックでゴーストノートを入れているドラマーを発見しました。誰あろう、あの、リンゴ・スターです! ビートルズ初期のライブ映像で、ドラムが横から映っている場面があったら、よ〜く見てみて下さい。


DRUMMERWORLDこちらのページでは、オマー・ハキム全盛期の「グルーヴ」している動画を見る事が出来ます。
 上の方にある最近のではなく、下の方にある“STING”と書かれている2本をぜひ見てみて下さい。

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