それから、ハイハットをショットするスティックの角度が変えづらいために、ハイハットが平板な演奏になりがちです。
さらに、ライドも左側に置くと、ガッド的な「右手ライド・左手ハイハット」の演奏が大変やりにくくなってしまいます。
他にも、タメの効いたバックビートが難しいとか、強いキックがやりにくい等々、オープンハンドの不利な点は沢山あります。
事実、オープンハンドを常用しているドラマー達のプレイには、多少なりとも、これらの(オープンハンドの不利な点による)影響が出ていると思いますが、どうでしょう?
だから、どうしても僕は、オープンハンドをオススメする事が出来ないんです。左利きの方にも、不利な点が多いオープンハンドより、左右逆セッティングの方をオススメしますね。
また「左手を強く、あるいは速く動くようにしたい」からとオープンハンドの練習をするのもオススメ出来ません。かえって重心バランスを見失ってキックが下手になりかねないですから…。
動きにくい方の手を鍛える方法として、オープンハンドは決して最良の方法ではなく、特効薬でもありません。むしろ、副作用が多すぎて危険なんですよ…。
両手をバランス良く鍛える方法としては、ルーディメンツをみっちりやる方が、ずっと効果的で、安全だと思います。
それでも、どうしてもオープンハンドをやってみたいという方には、基本はクロスハンドのまま、ハイハットの高さも変えず、フレーズの一部にオープンハンドを使う方法から始めることをオススメします。
いずれにしても、ドラマーがクロスハンドでハイハットを演奏するのは、不自然でも不合理でもなく、それがナチュラルだからこそ皆そうやってきたんだという事です。(20年以上もかけて僕がオープンハンドから学んだことは、これだけかも(^^;;;)
「ルックス的にオープンハンドの方がカッコイイ」と思う人も少なくないようですが、よくよく見てみれば、クロスハンドの構えがキマッてるドラマーだって沢山いると思いませんか?
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