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★ キックの踏み方(大音量ロック向け単打)


ロックのキックを踏む時、大多数の人は<脚をゆっくり持ち上げて、素早く、力強く踏む>と考えているはずです。

ところが、その考え方こそが大間違いで、「上手く踏めない」「パワーが出ない」「脚が疲れる」原因だったんです!

実は、<脚をゆっくり持ち上げて…>というのが、絶対にマズイのです。それだと、間違いなく疲れてしまいます。(*1)

それなら、本当は、どうすれば良いのか? その答えを、動画にしてみました。ポイントは、足の「離し方」にあります。

*1 「ゆっくり持ち上げる」≒「長い時間、空中に浮かせておく」という事ですが、この「脚を浮かせよう」とする意識が、バスドラム演奏を困難にする根本原因です



↑に動画が表示されない場合、こちらをクリックすれば動画が見られます


動画を見ただけでは、全然ピンと来ないでしょうから、ぜひ、実際のペダルとバスドラムを使って試してみて下さい。

上手く行くと、あまりにも簡単に、タイトな音色で大音量が出せるので、驚くと思います。実は、上手いドラマー達は、キックを、こうやって踏んでいたんです。(*2)

実際に、ハービー・メイソンやバーナード・パーディー等が、インタビューなどで「ペダルは“踏む”のではなく“離す”ようにしている」と語っています。

ところで、なぜ「踏み方」ではなくて「離し方」が重要になるのでしょうか? ここを理解しておく事は非常に大切です。

結論から言えば、キックペダルは「ビーターの戻りが大きいほど、大音量が出る」構造になっているからです。(*3)

非常に多くのドラマーが、キックペダルの存在を軽視して、脚の動かし方ばかりを議論していますが、フットワークを考える時、最初にやるべき事は、キックペダルという「機械」の「動作」を正しく理解する事です。

そして、ビーターを大きく戻すためには、バネの反発力が大きい必要があり、実際の演奏時に、バネの反発力が最大になるのは、ヘッドの上にビーターを止めた状態です。

その状態から、出来るだけ素早く脚を離す(*4)ことにより、ペダルは脚の重さから一気に開放され、最大になっていたバネの反発力によって、ビーターが最速で戻って来ます。
(※「ビーターの戻り方」に着目して、もう一度動画を見てみて下さい!)

その、最もビーターが戻った辺りで、脚がペダルボード上に落ちて来れば、バネの反発力に一切邪魔されずに、片脚分の重さが一気にビーターにまで伝わり、ヘッドをヒットします。

人間の場合、片脚の重さは体重の6分の1位ありますから、それが落下する衝撃力は、そうとうな物です。(*5)

ペダルやバスドラムを「破壊する」のではなく、「大音量を出す事が目的」なら、それだけで必要充分以上です。

さらに、ロックに必要な、「迫力のある音色」を出すために、ヒットの瞬間に足の指を使ってペダルボードを押して、ヘッドにビーターを軽く食い込ませてやります。(*6)

こうすると、ヒットが終わった瞬間に、再び、強いキックのための準備も完了するので、一石二鳥となります。

この奏法は、あくまでも「ロック用」の踏み方ですが、現在(21世紀初頭)のポピュラー音楽演奏は、大部分がロックを基本としていますから、最も実用性の高い奏法です。

キックの基本中の基本ですので、ぜひ、マスターして下さい。







*2 一連の動作を文字で表すと、<あらかじめビーターをヘッドに止めておき、ペダルボードから脚を素早く離したら、力を抜いて、つま先から落とし、指で押さえて再びビーターをヘッドに止める>という事になります






*3 逆に言えば「小音量で演奏したい場合は、出来るだけビーターを戻さないようにすれば良い」という事になります。
 事実、ジャズ等では「ビーターをできるだけ戻さない」事が大切になります







*4 最速で脚をペダルから離すためには、<熱さを感じて思わず足を引っ込める>というような「本能的な動き」を利用するのが一番です。(重心も崩れません)







*5 脚には充分な重さがありますから、自然落下させるだけでパワーは充分です。
 通常のフットワークでは、筋力で上から下に脚を動かす必要は全くありません




*6 これをやろうとすると、奏法は基本的に「クローズ」になります。ロックの場合、連打以外のキックを「オープン」で踏もうとするのは、かえって不合理です


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