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★ ドラムほど楽で簡単な楽器は無い


一万枚以上のアルバムに参加(*1)し、日本を代表するドラマーの1人である、村上“ポンタ”秀一氏の名言に、「現存する楽器で一番(演奏が)楽なのは、ドラムだと思う」というのがあります。僕も、この説には大賛成です。

それだけでなく、習得する上でも、ドラムほど簡単な楽器は無いのではないか…と考えています。その最大の根拠は「色々な楽器に挑戦してみたけど、なんとかなったのはドラムだけだった」という、僕自身の体験(*2)です(笑)。

少なくとも「音を出す」という最初の段階では、ドラム以上に簡単な楽器は無いと思います。

キーボードの鍵盤や、ギターやベースの弦と比べて、はるかに広い打面の「直径10cm程度の範囲」がスティックで叩ければ、あるいはペダルが踏めれば、とりあえずなんとかマトモな音が出ますからね。

当然、初心者と熟練者では音色に差が出ますけど、素手で叩くパーカッションと比べれば、大きな差は出にくいです。

けれども、たとえば管楽器のトランペットやホルン、トロンボーンなどは、マウスピースを唇にあてて「ぷ〜っ」という音を出すだけでも大変な苦労じゃないですか。

器用な人なら、その日のうちに音が出るかも知れませんが、丸一日頑張っても音が出ない人もいるんじゃないでしょうか? 実際僕は、この段階で挫折してますもん(苦笑)。


*1 バーナード・パーディが「僕は世界一録音されたドラマーだ。四千枚以上のアルバムに参加している」と語ってますが、実際にはポンタさんの方が上のようです。






*2 ギターやベースにも興味を持って練習しましたが、ドラムと比べると、ほとんど上達してません。キーボードは作曲の道具としてコードを弾くだけですし、ハーモニカやオカリナでさえも難しく感じます。
 口笛もちゃんと吹けませんし(苦笑)


世間でも「フォークギターを弾いてみたけど、Fのコードが押さえられなくて挫折した」(*3)というような話がよく出ますが、ドラムの場合、少なくとも初歩の段階には「これが出来なくて挫折」するような「大きな壁」がありません。

実際に、今までの経験で、ハイハットが8分でキックが1・3拍、スネアが2・4という、ごく簡単な8ビートなら、未経験の方でもほぼ例外なく1時間以内で「楽曲と合わせた」演奏が出来るようになっているのを見て来ていますし。



*3 僕の場合、Fはなんとか押さえられましたが、B♭は厳しいです。E♭やC#は絶対無理!というか、手がツリます!


次に、「指」について考えてみましょう。キーボードやギター、ベースなどは、少なくとも片手の指3本が思い通りに動かせなければ演奏出来ませんし、「人差指と中指を交互に動かす」なんてことは、ごく初歩の段階の動作です。

一方、ドラムの場合、いわゆるマッチド・グリップ(*4)であれば、5本の指を分離して使うことは滅多にありません。それどころか、どれか2本の指を交互に動かして連打が出来たら、それは大変な高等技術です(笑)。

また、よく「手足をバラバラに動かさなければいけないから大変そうだ」という人がいますが、両手で弾きながら、両足で最低音部を演奏するパイプオルガンや、左足でベースパートを演奏するエレクトーンなんかと比べれば、全然!(笑)







*4 今では普通になった「両手とも同じ持ち方」のグリップ。昔は「ロック持ち」とか言われてました。リンゴ・スターの登場以降、世界に普及した…という説も有。


エレクトーンの達人なら「左足クラーベ」(*5)ぐらい簡単に出来そうですし、パイプオルガンの達人なら、片足5個ぐらいずつペダルを並べた超絶演奏が出来そうです。

つまり、神保彰氏や、テリー・ボジオ氏ぐらいの「超人」あるいは「変態」レベルの演奏も、エレクトーンやパイプオルガンの奏者は「普段から当たり前に」やっている事なんです。

それに、ぶっちゃけ、ポップスやロックなどの8ビートでは、ほとんど左足は使いませんからね。


*5 ご存知、神保彰氏の得意技で、左足のパッドで「ン・カ・カッ、カン・カン・カン」の音型を踏み続けるという奴ですが、エレクトーン奏者なら朝飯前な気が…


次は、「これが出来るとカッコイイ」テクニックについて考えてみましょう。とりあえず、ドラムの場合は「ザーッ」というバズロールですね。これが出来ると「もう初心者レベルは卒業!」という感じがすると思います。

でも、実際に生徒さん達にバズロールを教えて来て分かったことですが、あれって「15分もあればコツがつかめちゃう」ものだったんですよ(^^;。

これは正直、ショックでしたよ(苦笑)。自分は出来るようになるまで、相当苦労しましたから…。

でももう、答えはハッキリしてます。バズロールは、「やり方」さえ理解すれば、早ければ数分、長くても30分程度で出来るようになっちゃうものだったんです。

(動画:『誰にでも出来るバズロール』をご参照下さい)


もちろん、ものすごくキレイに、ピアニッシモからフォルテシモまで(*6)…というわけじゃないですよ。でも、とりあえず「一応、音はつながっている」というレベルのバズロールなら、15〜30分もあれば確実に出来ます。

ということは、2〜3日練習すれば、少なくとも、ロックやポップス系の分野なら充分通用するレベルでマスター出来てしまうという事です。



*6 僕自身そんなの出来ません(苦笑)。クラシックの世界でも通用するような、物凄くキメの細かいロールを身に付けるには、相当な時間と努力が必要でしょう。


それから「間違いが目立たない」のもドラムの利点ですね。

鍵盤楽器や弦楽器では、フレットや鍵盤を一つ間違えたら酷い事になりますが、ドラムの場合は、スティーリー・ダンの『Aja』でスティーブ・ガッドが実践(?)しているように、タムを「ドーン!」と鳴らすつもりが、リムに当たって「カチッ!」(*7)になってしまってもOKテイクですからね(笑)。

なにしろ、他の楽器(音階のある楽器)なら必ずある「この曲では使えない音」「出してはいけない音」が基本的に無いんですから、気が楽です。

それに、ポップス・ロック系の音楽では、違う曲でもパターンが同じ…という事が多いので、一つのパターンや手順を覚えれば、沢山の曲に対応出来ますからね。








*7 リマスター盤じゃない方のCDでは、曲頭から4分57秒の所です。繰り返しの5分29秒あたりを聴くと、本当はタムを「ドーン!」って鳴らしたかったんでしょう。


他の楽器は、少なくともコード進行ぐらいは把握していなければ、初めての曲を譜面無しで演奏するのは難しいですが、ドラムなら、知らない曲でも、とりあえず「合わせる」事ぐらいは出来ます。もちろん、バシバシにキメが多い曲は難しいでしょうけどね。

「ドラムって体力がいるんでしょ?」というのも、よく言われる事ですが、よほど激しくて速い楽曲を延々やるようなジャンルでない限り、他の楽器より体力がいるという事はないんじゃないでしょうか? 事実として、僕は体力無いですし(笑)。

実際のところ、ギターやベースは意外に重くて、楽器を持って立ってるだけでもけっこう大変です。それに比べてドラムは、ず〜っとイスに座ってられるんですから!

スティックは、ギターやベースのネックを握るより、はるかに小さな力で持てますし、キックやハイハットのペダルだって、ピアノのペダルよりは全然軽いです(笑)。

それと「ドラムはリズム感が良くないと…」という人がいますが、唄でも楽器でも「リズム感が悪くても大丈夫」という事は無いですよ(^^;。それに、リズム感は鍛えられますからね。

何よりドラムには「実際の楽器がなくても、かなりのところまで練習出来る」という利点があります。

そもそも日本の住宅事情では家でドラムを叩ける人の方が少ないですが、とりあえずドラムの場合は「手順・足順を覚えて、順番に、テンポやリズムを崩さずに動かす」ことに関しては、楽器がなくても、どこでも練習出来ますから。

経験的に、特に初心者のうちは、スティックを持たずに練習した方が良い場合もありますし…。

また、逆にいえば、楽器を持っていなくても練習できて、練習スタジオに行けば楽器が置いてある、趣味のアマチュアバンドレベルなら「ボーカルの次にお金がかからなくて、移動も楽な楽器」がドラムなんです。

まあ、「簡単なモノほど奥が深い」というのも事実なので、ドラム演奏を極めようと思ったら本当に大変ですが、趣味レベルで楽しむのであれば、敷居が低くて、とっつきやすい楽器なんじゃないかと思います。

興味がある方はもちろん、音楽が好きで、何か楽器をやってみたいと考えているなら、良いですよ、ドラム!!(笑)



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