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★ 惚れた楽器は売っちゃダメ:その3「パール・ロックンローラー」


僕が初めて手に入れたドラムセットは、パールの『ロックンローラー』という、とっても廉価版なものでした。店で何年もたなざらしになってて、確か、15000円だったような…。

20インチのバスドラム、14×5インチのスネア、12インチのタム、14インチのフロアタム、それに、鉄板を丸く切りぬいただけみたいなライドシンバルとハイハットに、すっごく細いスタンドとイス、全部で15000円。



シェルの木なんて、まるでベニヤ板みたいだったし、ハイハットなんか、強く踏むと「おちょこ(※)」になってしまうという、すさまじいシロモノでした。

それでも、僕はその廉価版ドラムを、シェルの内側に塗装したり、EVANSのヘッドを張ってチューニングしまくって『ロックンローラー(改)』にして、ドラムを始めてから7年間、ずっと使い続けてました。

でも、さすがに、パワーが無いのはどうしようもなくて、ライブハウスに出るようになった18歳の頃、現在も愛用している『70年代Ludwig402』を手に入れたあと、スネアだけは売っちゃったんです、友人の知り合いの女子高生(当時)に、5000円で。


※ 「おちょこ」=強い風に吹かれて、カサが「バサッ」とひっくり返ってしまうことがありますよね。あの状態です。
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あのD・パープルのイアン・ペイスや、ツェッペリンのジョン・ボーナムと同じ、憧れの402を手に入れたんだから、もう、ロックンローラー・スネアなんて売っちゃっても全然問題ないと思いました。

チューニングボルトが6本しかない、ベニヤみたいなシェルに、ちゃちなヘアライン・シルバーのカバリングがされたロックンローラー・スネアは、402と並べると、どうにも安っぽくて、手元に置いておくのが恥ずかしいような気さえして。



ところが、なんというのかなあ、タイトルに書いたように、ロックンローラー・スネアは、僕のドラム人生における出発点であり、だんだん上手くなっていく過程を一緒に過ごしてくれた「幼ななじみ」の楽器だったわけで、知らず知らずのうちに、その音は、僕の身体に馴染んでたんです。

確かに、Ludwigの402は、ローピッチでも、ハイピッチでも、どんなジャンルでも「なんとかなる」非常に使いやすい楽器なんですが、あの、ロックンローラー・スネアと同じ音は、どうしたって出ないわけで…。

☆ちなみに、『ロックンローラー(改)』の音(MP3)が、17才頃録音したテープに残ってました。

☆こちらは、スネアだけ402でガッド風のチューニングにした『ロックンローラー(改)』の音(MP3) クラッシュの音は「謎の3000円16インチ」です。19才頃。


そんなに何度もあったわけじゃないですが、「ああ、こんな時に、あの、ロックンローラー・スネアがあったらなあ…」と思うことも、たまにはあって、でも、そのたびに、「だけど、あのスネアはパワーが無さ過ぎて、セットの中に入れたら使えないからな」と、自分をごまかして、そしてやがて、あのスネアのことはすっかり忘れてしまいました。

ところが、マンガなんかでよくある、幼なじみの女の子と再会してみたら、すっごくキレイになってて…という、あのパターン、僕の場合は、スネアドラムで、これを体験することになりました。

その2
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その4:Leedyとの出会い


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